乱読サラリーマンのオリジナル書評

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日本企業の営業力

戦後、敗戦からの復興を目指した日本は、長期にわたる高度経済成長を経て「東洋の奇跡」と呼ばれました。

 

技術力を磨き自動車産業や電化製品は世界一の経済大国であるアメリカのマーケットに果敢に進出し、名だたる大企業を凌駕してマーケットリーダーとなり、世界有数の経済大国への道を築きます。

 

終身雇用、職能給など長期的な視点に立った人事制度、また工場労働者にもホワイトカラーと同等に人事評価を駆使しつつ、ものづくり大国への道を進み、その日本的経営は他国から研究対象にもなりました。

 

では、その時に営業という職種もしくは部門は世界有数のレベルを築いたのであろうか?

 

答えは否である。高度経済成長というのは、短期間に付加価値が増えたことと同等であす。では、なぜ急速に付加価値が増加したのだろうか?端的に考えれば、競合と比較して商品力が優勢だったからだろう。

 

 

高度経済成長が終焉し、バブルとその崩壊を迎えながら、成果主義などアメリカ式の人事制度の改革(個人的には失敗と思いますが・・・)に力を入れ、営業のナレッジではなく、営業のモチベーション、管理職の評価方法の問題に手をつけただけでした。ものづくり大国として栄華を極めた家電製品も既にコモディティ化した商品は人件費・物価の安い東アジアの企業に覇権も取られつつあります。

 

そのような中、営業という最後の経済成長のピースについて後手に回った日本において、今すぐにでも手をつけなければいけない重要なナレッジは企業の営業戦闘力ではなかろうか。それも属人的なスーパーセールスマンを育てるのではなく、企業全体で営業・販売力というナレッジを磨く時代を迎えたといっても過言ではありません。サッカーに例えると、メッシやCロナルドのような、ゴールゲッターを育てるのではなく、チームの戦略戦術を磨き結果として点が取れるような組織体制を構築しなければならない時期にきています。

 

本来自己より組織への犠牲心を優先する日本人の叡智を駆使すれば、過去に世界を席巻した商品力を営業力に置き換え、世界有数の営業力を築くこともあながち夢ではないのだろうか。

 

<参考文献> 

究極のBtoBマーケティング ABM(アカウントベースドマーケティング)