乱読サラリーマンのオリジナル書評

読書は教養を広げる、教養を広げれば、人生も豊かになる。そんな思いでブログを書き続けます!

書評:小説

【書評:告白(湊かなえ著)】 イヤミスの決定版

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) 既に推理小説の人気サブカテゴリ―となっている”イヤミス”をご存知でしょうか。"イヤミス"とは読んだ後に嫌な気分になるミステリー小説のことを指します。人間の奥底に潜む負の部分を小説に散りばめ、謎解きとはやや相違…

【書評:共喰い(田中慎弥著)】 はじめて芥川賞作品を読む

読書家と名乗っていながらお恥ずかしいが、恐らく人生で初めて(もしかしたら学生時代に授業で読んだかもしれないが・・・全く記憶には残っていない)芥川賞作品を読了しました。 共喰い (集英社文庫) 昭和末期の地方の田舎都市、女性に対して暴力的で且つ、…

矛盾との付き合い方を考える 【書評:煤煙(北方謙三著)】

北方謙三の煤煙を読んだ。主人公はバツイチ弁護士。自身で気づきながらも誤った方向へと突き進んでしまう男の物語である。社会に溢れる矛盾について、どう向き合うのか、考えさせてくれる。

書評:後妻業

後妻業 (文春文庫) 直木賞作家で映画化もされた作品。読む前から期待が膨らみます。 しかしながら、 登場人物は悪人ばかり ノワール小説なのに人の死もナレーションのようにあっけない。 謎解きの語り部である元刑事も善人ではなく、ハードボイルド小説のよ…

書評:流星ワゴン

流星ワゴン (講談社文庫) 過去は変えられないけど明るい未来を築くためには人はどうすればよいのか・・・ 冒頭のテーマを不思議な3組の父子の物語を巡って紐解いてみよう。 一組目は既に家庭崩壊が突き進み受験に負けた子供とリストラにあい死のうとしている…