【書評:生命科学的思考】生命科学がビジネスに役立つ
著者は生命科学の研究者で且つ遺伝子解析のスタートアップベンチャー起業家と稀有な経歴の持ち主です。
生命科学がビジネスに役立つのか疑問に思う方も多いと思いますが、
企業組織を構成しているのは人間。人間はいうまでもなく生物の一種です。生物の進化や生命法則の視点からアナロジー的に着想できます。
本書の主張は
- 生命の法則を客観的に理解する
- 生命科学を理解した上で主観で行動する
の2点です。
常に変化する外的環境に対して変わらぬ生命法則。そんな対比を考えながら読み進めてみてください。
思考とはとても、エネルギーを消費するため、思考停止に陥るのは生命原則から自然に導かれる法則です。
そんな法則に抗い主観で考え動くことを本書は強く推奨しています。さらには生命科学を理解することで視野が広がり社会に見え方も変わると述べています。
人には独自に課題を認識して、解決するまでの道筋を考えることができます。その課題を認識して解決することが主観で動くということになります。
人が
生命原則を理解することで
視野が広がり、
課題を導き
情熱を持って解決する。
この一連の流れこそが
持続可能な社会への提言となって本書を読み進めることができます。
本書は哲学的に捉えられる内容も盛り込まれていますが、生命科学の知見も無い方にも読みやすい文体で書かれています。
コロナ禍で一人の時間も増え、考えにふけることも多くなったこの時期こそ皆様に手を取っていただきたい書です。