書評:レオン氏郷
信長の娘を娶り、義父信長の天下統一そして統一後のビジョンに心酔しつつ、革命家と崇め助走者として並走する蒲生氏郷。
その信長が 本能寺の変で非業の死を遂げると、信長ビジョンの後継者をとして秀吉についてゆくが、全国統一が見えてきたころに野望と単なる欲望を微妙に使い分ける秀吉を見限る。
奥州仕置で会津に移った氏郷は、若き梟雄”伊達政宗”と対峙することとなる。本書では政宗はミニ秀吉のような欲望のために生き抜く武将として描かれている。
理想家の信長・氏郷
欲望家の秀吉と政宗
理想を追い求め熱く邁進するる男も
自らの欲望のため知恵を絞りだす男も
共に権謀術数、戦術の使用方法論はそれほど相違はない。
違いは志だけである。
高い志を求めて突き進むためには、賢い戦術がなければ何も進まない。
志とリーダーシップで組織力を高めても、欲望家は権謀術数を利用して組織力を高め張り合ってくる。
それでも高い志を掲げることに意義があり、適切な戦術を使いこなすことが肝腎だ。